2013年3月25日月曜日

週一回の「外ランチ」の効用


 三好隆史『自己洗脳法―21世紀人の必修科目』(ダイヤモンド社・1993)で読んだエピソードです。

 第二次世界大戦中、アメリカ海軍は、兵士の精神面の健康が生存率に及ぼす影響を知るため、様々な研究をしていました。

 記憶が正確でないかもしれませんが、例えば次のようなことです。

 ネズミに不快な刺激を与える。一方のグループは、もがくと刺激が止まるようにしてある。他方のグループは、何をしても刺激から逃れられない。

 すると、逃れられないグループは、やがて刺激を与えても逃げようとしなくなります。このように「訓練」したネズミを水につけておぼれさせると、両グループの生存率には著しい差が生じたそうです。
 刺激から逃れられなかった後者のネズミは、あっけないほど早く溺死したというのです。

 この研究のインプリケーションとして海軍が得たものは、刺激のない(頑張っても見返りのない)日常に刺激を持ち込む必要性でした。
 そこで軍は、缶詰主体で単調になりやすい食事を見直し、日々の訓練内容にも変化をつけることにしたそうです。

 ベトナム戦争中も、ジャングルで泥水に浸かって戦う米軍兵士たちのもとに、週一度はヘリコプターで熱々のステーキが運ばれていたというのは有名な話です。

 さて、わたしたちも、家事育児に倦んだお母さんや、室内に籠りきりのプログラマーや、勉強でいっぱいいっぱいの友人が身近にいるなら、その人たちをランチに連れ出しましょう。

 それがあなた自身ならば、明日はお弁当や社員食堂でなく、外ランチに出かけましょう。よしんばそれが無理でも、通勤(通学)経路を変えたり、普段と違う寄り道をしましょう。

 では、なぜランチか。ひとつは経済的理由。ランチならおいしいものを食べて、食後のコーヒーまで飲んでも千円前後。週一回なら贅沢すぎるとはいえないでしょう。

 もうひとつはより積極的な理由です。昼の日差しを浴びてリフレッシュできますし、アルコールで気晴らしするより健康的です。一時間で切り上げられるところもいいですね。

 このように、自分自身に対し、うまくアメとムチを使い分ける意識は、とっても大切だと思います。資格の取得や独立など前向きな目標を掲げている人ならばなおさらです。

 そういえば、前掲書のオビには「最も自律的な人とは、自らの他律性をフルに利用できる人のことである。」とありました。

 いまでも心に残るひとことです。





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