2013年3月10日日曜日

泡沫投資家ただひとつの必勝戦略


 もうかなり前のこと、東京のある億万長者のエピソードを聞いたことがあります。

 その方は、東京都心部に広大な地所をもつ大地主。ある人が「これだけの資産を築くまでにはさぞ長い道のりがあったでしょうね」と水を向けると、返ってきたこたえは「いえ、ひと晩で手に入れました」。

 ひと晩というのは、昭和20年3月10日のこと。世にいう東京大空襲の日です。焦土となりつつある東京を捨て、疎開しようとする人々にとって、土地の権利証など何合かの米ほどの価値しかなかったのかもしれません。

 ところで、昨年9月に8,800円台半ばだった日経平均株価は、先週末ついにリーマンショック前の水準まで戻し、さらに12,300円を窺う気配です。この半年間の上昇率はじつに4割近く、株式市場も大いに活気づいています。

 しかし、です。これから証券口座を開設して株取引しようか、という人にとって、いまは必ずしもいいタイミングではない、と個人的には思います。

 では、いつはじめるのがいいのか。ズバリ、株価が暴落して、誰も株のことなんか考えたくないような悲観的ムードのとき、です。

 われわれのように、ほかに仕事をもち、株の研究と実践に時間をかけられない、しかも知識も情報も資金も乏しい「泡沫投資家」が、負けない投資を継続するには、方法はたったひとつしかない、それは「なるべく安く買って、値上がりするまでじっと待つ」ことだ、というのが幾度も失敗を繰り返して結局私がたどりついた結論です。

 かくいう私自身は、次の6つのルールをかたく守って、のんびりやっています。

ルール1:寝かせて構わない余裕資金で投資する

 株価が購入時を下回っても、損切りなどせずじっと待つためには、長期間塩漬けにする覚悟が必要です。近い将来使う可能性のある資金は充てられません。

ルール2:買ったら忘れる

 いったん買ったら、株価に一喜一憂せず、放っておくことにしています。しょせんさほどの知識も情報もないのですから、時間をかけたり、心配するのは時間の無駄と考えています。

ルール3:決まった銘柄だけを売り買いする

 その時々でホットな銘柄というのは現実にあります。でも、自分がよく知らない銘柄に手を出すのは怪我のもとだと心得ています。具体的には、日本が世界に誇るエクセレントカンパニーと株価指数に連動するETF(上場投信)だけを買うことにしています。

ルール4:損切りはしない

 入門書などを読むと、「株価が購入価格を2割弱下回ったら損切りすべき」などとよく書いてあります。でも、そんなことに神経とエネルギーを使うくらいなら、仕事で頑張って給料を上げるほうが得策です。それに、底力のある企業なら、いつか株価は持ち直すはず。もし私がこれまで損切りなど一度もせず、ただぼんやり株を持っていたなら、いまごろもっとお金持ちになっています。

ルール5:研究はしない

 一時は「オール投資」を購読し、四季報なども熟読していましたし、テクニカル分析のスキルを身につけたいと勉強したこともありましたが、いまはなにもやっていません。
 やると、余分な勝負をしたくなります。とりわけ、いまのような相場がいいムードの時には楽観的な情報が増えるので、今買わないと損、みたいな気持ちになりがちです。これが失敗のもとです。

ルール6:日本経済がヤバそうなときに買う

 株価が大きく下落し、悲観的な情報ばかりが巷にあふれ、いま株をやるのはこわいなあ、というときがまさに投資のベストタイミングだと思います。日本が世界に誇るエクセレントカンパニーの未来が信じられるなら、ですが。
 想像してみてください。日経平均が7,500円台まで落ち込んだ時、勝負に出た人がいまどれほどの含み益を手にしているかを(正直にいうと、7,600円台で底を打ったら買おうと私も思っていました。ところがそのラインをあっさり突破して下落したので、さすがにそのときは怖くて買えませんでした。)

 長々と書いてまいりましたが、これらを要するに、「飽くまで本業第一。財テクは片手間。」を貫くということです。

 株をやっていると、新聞の読み方が深くなったり、景気敏感株の動きで景気動向指数などの統計指標にさきがけて景気変動が実感できたりすることが確かにあります。そんなメリットが本業に生かせるなら、多少のサヤが抜ける以上によいことだ、というくらいの心の余裕が大切だ、といつも思っています。











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