今回は、「月1,500円からの読書生活術」シリーズの番外編として、図書館活用術を取り上げたいと思います。題して「図書館は読書生活のキーステーションだ!」です。
■ 図書の分類記号を少しだけ知っておこう
ご存知の通り、図書館の蔵書は原則として、0から9までの分類番号(日本十進分類法)順に並んでいます。
分類記号は原則三桁表示であり、最初の数字が大分類、次が中分類、末尾が細分類を示しています。通常、この三つの数字を「類」「綱」「目」と言います。
例えば、分類記号323は、3類(社会科学)の2綱(法律)の3目(憲法)を示します。
■ 自分の読書の「偏り」を自覚しよう
利用者が圧倒的に多いのは、9類(文学)でしょう。人それぞれ、借りる本には分類上の偏りがあるはずです。私自身の場合は、いちばん多いのは3類(社会科学)、つづいて2類(歴史地理)、6類(産業)といったところでしょうか。
自分の読書の偏りを知ったところで、たまには異分野の本を読んでみるのも良いものです。個人的には、4類(自然科学)の本には、課題の設定の仕方、課題へのアプローチの選び方、といった点で参考になるところが甚だ多いと思っています。
■ 新着図書コーナーで関心の薄い分野に触れる
異分野の本を読もう、と思ったとき役立つのが図書館の「新着図書コーナー」です。私自身も、このコーナーを見て、あまり読む機会のない0類(総記)、1類(哲学宗教)、4類(自然科学)などの図書を手に取って見るようにしています。
最近読んだものでは、『エピソードでつかむ生涯発達心理学』(岡本祐子ほか編著・ミネルヴァ書房 2013)が平易な記述でとっつきやすく、ためになりました。ちなみにこの本は、分類記号143でした。
■ 新着図書コーナーの定点観測でわかること
「新着図書コーナー」を定点観測しておりますと、出版傾向にそのときどきの世の中の重大関心事が大きく反映していることがわかります。
最近感じるテーマは「原発」「放射能」。それは、自然科学や産業の分野にとどまらず、反原発運動を現象として捉えた場合には社会学、放射能被害に係る心のケアといった面では医学、といった分野的広がりを持ちます。
とりわけ個人的に関心を持ったのは『危機の憲法学』(奥平康弘・樋口陽一編著・弘文堂 2013)でした。この本は、東日本大震災を契機に顕在化した憲法上の諸問題に取り組んだ法律書で、「原子力災害と知る権利」についても論じています。
■ 分類記号100番以下が面白い
注目すべきオススメの分野は、0類(総記)です。とくに、
002 知識、学問、学術
007 情報科学
014 資料の収集、資料の整理、資料の保管
019 読書、読書法
070 ジャーナリズム、新聞
のカテゴリーには、好奇心を刺激してくれる面白いものが多く、重宝しています。
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