先週末から今週末にかけて、「おおいた学生起業家育成講座」(大分大学主催・大分県委託事業)が開催されています。
昨年に引き続き、私が講師を担当させていただくことになったのですが、4日間にわたる本講座の冒頭、私は受講者のみなさんに次のように語りかけました。
起業家の人たちが起業するのはなぜでしょう?
実現したいビジネスアイデアがあるからでしょうか?
それとも、ただ起業したいから起業するのでしょうか?
どっちが成功しそうだという気がしますか?(受講者から、ビジネスアイデアがある人の方が成功しそう、という声があがる)
そうですね、そんな気がしますよね。
どちらの方が成功に近いか、私にもわかりませんが、周囲を見回す限り「起業したいから起業した」人たちがわりと順調にきているのが目につきます。
それは、どうしてだと思いますか?
私が思うに、それは「とにかく起業したい」人たちは、起業するために必要なのに、自分に足りないものを認識し、それを順次手にいれて行っているから。
起業のネタであるビジネスアイデアがまだないこともあるでしょう。開業資金が足りないこともあるでしょう。でも、起業というゴールをイメージ豊かに描けば、いまの自分に欠けているスキルや経験、人脈、お金、その他もろもろがはっきり見えてきます。
私自身も「起業したいから起業した」人間です。私には足りないものが多かったので、起業を志してから起業するまで長い年月がかかってしまいました。
本講座でみなさんがこれから学んでいく事業計画(ビジネスプラン)は、設定したゴールに向けて足りないものを順次獲得していくための、いわばロードマップみたいなものです。
長丁場ですが、それを一緒に勉強して行きましょう。
起業はビジネスアイデアありきでなくてもいいのだ、というこの問題提起は、受講者のみなさんにかなりの驚きをもって受け止められたようでした。
確固たるアイデアをもっていても、起業しない人はしないものです。他方、アイデアもなしに起業を目指す人は、起業のネタ探しに躍起になるはずです。「このビジネスを応用できないか」「外国で成功しているこのビジネスを日本でもやれないか」などと。
問題意識はアイデアの母。いいアイデアが出てくるまで待っていては、埒が明きません。
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