私は読書を日課にしており、読書量は硬軟とりまぜて月10冊くらいかと思います。
以前は、月に20~30冊読んでいましたが、iPadを持ってからというもの、読書量が激減して今日に至っています。
私が思うに、読書には欠かせないものが3つあります。ひとつめは、読書にあてる「時間」。ふたつめは読もうという「気持ち」。そして三つ目は本を入手する「お金」です。
「時間」面では、アイドルタイムの活用がひとつの焦点になりますし、「気持ち」面では読みたい気持ちをそそる本のセレクトや動機づけとしての「読む理由」が大事です。さらに「お金」の面では、良書をより多く、より安く入手することが望ましいことは言うまでもありません。
ちなみに私は、月に20~30冊読んでいた頃でも、書籍代は月に1万円以下でした。
今回から5回にわたって、
ステップ1;読む本を選ぶ
ステップ2;選んだ本を探す・買う
ステップ3;探した本を読む
ステップ4;読んだ記録を残す
ステップ5;読んだ記録を使う
の順に、私の読書の仕方について書いていきたいと思います。
特段、コツというほどのものはありませんが、もしかしたら何かヒントになることがあるやもしれませんので、お付き合いください。
なお、「月1,500円からの読書生活術」と題したのは、よく使っているアマゾンとブックオフオンラインが「1,500円以上送料無料」なので、それを目安に本を購入することが多いからです。
1,500円をうまく使う方法については、ステップ2で述べたいと思います。
では今回は、「ステップ1;読む本を選ぶ」に関して以下に述べます。
■ 書籍情報を広く集める
読む本を選ぶスタートは、当然ながら「書籍情報を集める」ことです。
私は、書店、古書店(ブックオフ)、公立図書館のいずれにも月に数回足を運んでいます。比較的軽い内容のものなら、図書館で借りて済ますこともありますし、借りてみて手元に置いておきたいと判断すれば、改めて購入することにしています。
また、書籍情報サイトをRSSリーダーに登録しており、都度参照しますし、Twitter経由で情報を入手することも少なくありません。もっとも重宝するのはFacebookで親しい友達が推薦している図書に関する情報です。その友人の趣味嗜好や読書傾向、見識等から推して、その本が読むだけの価値があるかどうかというのは比較的判断もつきやすいし、外れも少ないように思います。
■ マイナーな分野の書籍情報を集めるには
マイナーな分野なら、その道の研究者の著書の参考・引用文献リストが有用です。入門書の類いならば、よりアドバンスな学習のための推薦図書が紹介されていることも少なくありません。
いま私の手元に、末吉孝生『マーケターの仕事術・入門編』(日本能率協会マネジメントセンター)という本がありますが、本書には学習分野別に参考図書が短評付きで紹介されています。
■ 掘り出し物の探し方
土井英治『土井英治の「超」ビジネス書講義』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、装丁やタイトルのサエない良書で他者と差をつけろ!と述べています。ベストセラーになるような良書はみんなが読んでいるわけで、内容はいいのに装丁やタイトルがパッとしないために光の当たらない本にこそ注目すべき、ということのようです。
また一般的に流通していないが定評のある良書というのは、その道の専門家に聞けば得られる情報です。例えば、裁判所職員総合研修所のテキストは、記述が平易かつコンパクトで、学説整理が明確である等の理由から、司法試験の基本書としても人気があるようです。
■ 読者レビューはレビュワーの属性に注意する
集めた書籍情報の中から、購入する本を選ぶ際には、Amazonのレビューを大いに参考にさせてもらっています。
読者レビューを見るときは、星の数は気にせず「レビュアーはどんな立場のひとかな?」ということに意識を向けています。レビュワーによる評価は、それぞれのニーズに即応しているかどうかという側面から行われることが多いからです。法律書を例にとっていえば、司法試験受験生と法曹実務家・企業法務担当者ではニーズが全く違い、評価は大きく分かれることになります。
■ あらためて「まえがき」を読む意義
「まえがき」を読めば、その本の性格と意義はわかる、とよく聞きます。実際その通りだと思います。
本書が持ち込んだ(従前なかった)新しい視点はいかなるものか。基底にある思いや価値判断は何か。採用した事例がどうして当該テーマに適していると考えたか。どのような読者に、どのように生かしてもらいたいか。どのような判断で、どのような章立てにしたか。
このような情報は、本がその人にとって読む価値があるかどうかを判断するにあたって、きわめて重要な情報でしょう。逆の言い方をすれば、「まえがき」からこれらの情報がほとんど読み取れないならば、その本は無理に読む必要はないのかもしれません。
次回は、「ステップ2;選んだ本を探す・買う」について書きたいと思います。