大分弁に「一張羅」を意味する「県庁着」(けんちょうぎ)という言葉があります。語源はくわしく知りませんが、おそらくは「県庁に着て行くようなよそいきの服」ということだろうと思います。
ところで、私が一昨年作った冬物の県庁着は、試着以来一度も袖を通すことなく、また二度目の衣替えを迎えつつあります。
奇しくも明日は県庁に伺う予定なのですが、この気温では夏物スーツが妥当でしょう。県庁着の出番は、早くとも晩秋になりそうです。
われわれ田舎の不動産鑑定士は、市街地のみならず山林原野を駆け回ることも多い反面、その足で役所に出向くのが普通ですから、調査時は(よほど山深く分け入るとき以外は)スーツを着ていることが多いです(長靴はクルマのトランクに常備しています)。
したがって選ぶスーツはあくまで実用本位、多少木の枝に引っ掛けても気にならないものが最適といえます(一度、おろしたてのスーツのひざを破いて、補修に八千円かかったことがありますが、このときは、どこを補修したのかわからないくらい、完璧な仕上がりでした…)。
県庁着には申し訳ないけど、かかる実用本位のスーツを着ていくのがはばかられる場面が来るまで、風にあててもう少し眠っていてもらうつもりです。