2012年3月30日金曜日

不動産鑑定評価も「周辺隣接業務」だった

 不動産鑑定評価というサービスは、「不動産の鑑定評価に関する法律」(昭和38年)の施行前から日本勧業銀行などの一部金融機関で行われていました。
 マーケットのニーズから生まれた不動産鑑定評価というサービスは、同法によって整備・認知されたことで、その後広く普及することになりました。

 ここで注意すべきは、不動産鑑定評価も当初は銀行業務の「周辺隣接業務」に過ぎなかったということです。
 「不動産の鑑定評価に関する法律」以前から不動産鑑定評価に携わっていた人たちは、いわば業界のイノベーターであって、彼らがニーズに即応して考案した成果物が鑑定評価書の原型となったわけです。

 ひるがえって今日の不動産鑑定業界を見るとき、「周辺隣接業務」が生まれるような基礎的環境があるといえるでしょうか。「価格等調査ガイドライン」は周辺隣接業務の萌芽を妨げてはいないでしょうか。この点、「調査報告書で対応する途は残した」というものの、利用者の利益保護という趣旨からは、より制限的でない規制手段もあり得たように思われます。

 不動産鑑定評価まずありきの発想で鑑定業者の自由な活動を阻むことは、「周辺隣接業務」の芽を摘むこととなり、それは同時に不動産鑑定評価の需要の端緒を狭めることになると思われてなりません。
 (2011.5.25)

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